「長時間洪水予測」ってどんな技術? ABOUT

「長時間洪水予測技術」とは?

長時間洪水予測技術とは、洪水の発生をいち早く予測する技術のことです。現在は気象庁により最大6時間先までの予測情報が提供されていますが、衛星観測とモデルシミュレーションとの融合により、将来的には24時間以上先の予測情報の提供が可能となります。

水循環シミュレーションシステム「Today’s Earth」

JAXA(宇宙航空研究開発機構)と東京大学とが共同で開発している陸面水文量シミュレーションシステムのことです。日本及び世界の降雨量や地表気温、河川の水位などの様々な情報をリアルタイムで見ることができます。長時間洪水予測技術が実装されると、洪水をはじめとした将来の予測情報を見ることも可能となります。

「Today’s Earth」を見る(外部サイト)
TODAY'S EARTHのイメージ

Today’s Earthの仕組み

TEは、陸面過程モデルMATSIRO河川追跡モデルCaMa-Floodの2つから構成されています。システムでは、衛星観測や数値予報データなど、外部の様々な気象データに基づいて、MATSIROにおいて陸面と大気との水・エネルギーのやり取りを計算し、地表面の状態(例えば、地表面における気温や土壌中の水分の量、地表面から流れ出る水の量など)に関する様々な予測値を算出します。

こうして計算された総流出量にもとに、CaMa-Floodにおいて土地の様々な状態を考慮した水力学的計算を行います。このモデルの中で、河川は長方形上の水路、氾濫原はそこからの斜面として単純化して表現され、これらの条件をもとに局所慣性方程式を解くことで、流量や氾濫面積割合といった河川の状況は洪水に関するリスクを算出します。

TODAY'S EARTHの仕組み

長時間洪水予測技術の高度化に向けて

この研究プロジェクトでは、この長時間洪水予測技術の更なる高度化により、実社会で有効に活用できるシステムの開発を目指しています。
具体的には、1.地上水位計だけでなく、衛星からの浸水域・水位の観測情報や、SNS情報をも利用した新たなデータ同化手法の開発などの多様な先端観測情報の統合、そして2.AIによる予測降水補正技術、地下水やダム操作・堤防、アンサンブル予測機能なども組み込んだ最先端シミュレータの開発などを進め、将来的な24時間以上先の予測情報の提供の実現を目指します。
詳しくは「研究プロジェクト」ページを参照してください。

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